営業マンにとって、真の顧客ニーズを掴むスキルは必須のスキルです。
トップセールスと呼ばれる人は、
顧客ニーズを引き出すスキルに長けています。
ところが、ニーズを聞き出す時に表面的なことだけを聞いて
満足している営業マンもいます。
より具体的なニーズを引き出すためには、もう一歩踏み込んだ
聞き取りが必要であるにもかかわらずです。
お客様は、ひょっとしたら現状に不満や不便を感じてはいても、
実際にはどのようにすれば良いのかわかっていないのかも知れません。
漠然としたものをはっきりとイメージできるように、
ニーズをわかりやすくしてあげれば喜んでもらえますよ。
「何に困っていますか」の質問だけでは、
裏側にある真のニーズを引き出すことは難しいでしょう。
ニーズが具体的にわかればお客様のあるべき姿が見えてきます。
工業用部品メーカー勤務時代に、
コンサルタントの指導を受けた時のことです。
会社は、利益率が低下傾向にある主要製品とは別の新製品の
開発を求めていました。
主要製品は同業他社との価格競争に巻き込まれるのが常でしたから。
当時私は営業部に所属しながら、
製品開発プロジェクトの事務局の役目も担っていました。
そのコンサルタントは事前に会社のことをしっかり調べ、
予測をたててヒアリングをされているようでした。
かなり突っ込んだことも聞かれましたから。
コンサルタントの指導を受ける中で、
会社が抱えている問題にどう対処するか課題が明確に
なってきました。
「なるほど!」と感心させられたものです。
導かれた課題は次のようなものでした。
メーカーとして、市場から開発ヒントを得る仕組みが確立
されていなかったのです。
このコンサルタントの一連のヒアリングが、
彼が持つ「顧客のニーズを引き出すスキル」だったのです。
指導を受けながら、
顧客ニーズを掴みとるノウハウを見せてもらえたのは
幸運でした。
貴重な経験でもあり財産にもなりました。
営業マンなら誰でも成果を上げるコツを知りたいものです。
営業マンは、顧客の考えを知り商品・サービスを買いたいと
思われるような提案をする必要があります。
したがって、売れる営業マンに成長するにはいくつかのスキルを
身に付けなければなりません。
中でも重要となるのが、顧客からニーズを聞き出すスキルです。
ところが、このニーズを聞き出す作業は簡単なことではないのです。
顧客は漠然とした問題意識はもってはいるのですが、
解決すべき課題などの真のニーズに気づいていないケースが
多いからです。
顧客が教えてくれる現状の問題を整理してあげて、
問題の裏に隠れている課題を引き出す作業が重要になります。
引き出された課題が明確になれば、顧客ニーズもわかりやすく
なってきます。
顧客ニーズをわかりやすくするためには、
相手のニーズに一歩踏み込んでヒアリングする習慣を付けて下さい。
習慣づけるためには、事前の準備は欠かせません。
まずは、顧客のニーズを想定しておくことです。
もっとも大切なことです。
そして、
・顧客(商談先)の情報を収集する
・自社の商品サービスの効果を説明できるようにしておく
・面談者からの質問もある程度予測しておき回答も準備しておく
などの前準備を必ずすることです。
商談のゴールまでをシミュレーションしておけば、
高品質な営業をすることが可能になってきます。
顧客情報については、
・企業ホームページから得られる情報
・決算書から得られる情報(売上高や業績推移など)
・業界情報
などがありますので活用してくださいね。
部品メーカー勤務時代に感じたことなんですが、
これからの時代は製品力だけでは同業他社との差別化は
難しいのではないでしょうか。
顧客のことをどれだけ考え、どう繋がることができるか、
コミュニケーション力も必要になってきます。
・商談相手の本音を理解する
・商談相手が何に期待しているかを理解する
・商談相手はどんなことをすれば満足してくれるか
など常に意識して面談することです。
トップセールスは質問力を駆使し、商談相手の懐に飛び込み、
人間関係をつくり受注力を高めています。
トップセールスは、
常に顧客先の課題には興味と関心を持っています。
だから自然と質問ができるようになるのです。
御用聞き営業から提案型営業へ、と云われて久しいですね。
顧客が抱えている問題を整理して課題を引き出し、
解決策を提示する
「ソリューション営業」へと、
今すぐスイッチを切り替えて下さいね。
そして、
商談前の事前準備は怠りの無いようにしてください。
無駄のない効率的で高品質の営業をするための
第一歩になりますから。