営業マンの会話の基本は、
お客様が伝えようとしている内容を理解する
ことです。
理解できなければ会話は成立しません。
お客様は、自分の話を理解してくれる営業
マンに信頼を寄せます。
私は、このことに気づくまで少し時間が
かかってしまいました。
新人の頃は元気いっぱいで、訪問件数を
増やすことで成約件数を上げようと、
走り回っていました。
商品の特徴と良さを伝えることに全力を
傾けていたのです。
「営業マンは先生で、お客様は生徒。
この立場が逆転すると、商談を進めにくい。」、
と一人の先輩から教えられていました。
その意味を間違えて理解していたのですね。
提案活動は、お客様の考えやニーズを理解
するとこらから始まるんですね。
新入社員研修を終えて、飛び込み営業を
始めた頃です。
「よくしゃべるね~」とお客様から
言われた時、それに気づくべきだった
のです。
新人の頃は、お客様の考えを聞くことにまで
心を砕く余裕はありませんでした。
一方的に、商品の特徴や良さを説明するだけ
で満足していたのです。
そんな状況ですので、契約などしてくれる
お客様が現れるわけがありません。
飛び込み営業に慣れてくるにつれて、
何となくお客様の雰囲気が良くないことに
気づきました。
ちょうどその頃、新人社員のフォロー研修
がありました。
同じ時期に、新しく管理職に昇格した先輩方
の研修も行われていました。
一人の先輩が、私の営業に同行してくれる
ことになりました。
営業の世界では、コミュニケーション
能力に優れ、人を惹きつける会話ができる
素晴らしい営業マンがたくさんます。
その人たちの会話は、自分のおしゃべりより
もお客様の話を聴くことに時間とエネルギー
を使っています。
この時の先輩社員のアドバイスもそうでした。
注意して観察していると、自分が話すこと
よりもお客様の話の聞き役に徹していました。
お客様が話しやすい雰囲気づくりが実に巧み
でした。
先輩社員のアドバイスはこうでした。
「自分のセールストークを意識するあまり、
お客様の考えを聞こうとする姿勢がない!」
「それではお客様が何を求めているのか、
どうしたいのか、営業マンがそれを理解
しなければ、話がかみ合わない!」
「どんなにセールストークを磨こうと
役に立たない!」
考えてみれば、お客様は自分から困っている
ことや、悩み、不満など話すことはありません。
営業マンが上手に聞き出すことが
必要なんですね。
お客様は自分の話を真剣に聞いてくれる、
そして理解してくれる人のことを信頼します。
「この営業マンだったら、
自分のことをわかってくれる。」と思って
くれます。
お客様との信頼関係を築くことができます。
私が理想とする営業マンは、
『お客様自ら抱える悩みや課題を話してくれる、
そのような人間関係を築ける営業マン』だと、
考えています。
私もそんな営業マンを目指しています。
ヒアリングスキルを身に付けることで営業力
は格段にあがります。
ところが、ヒアリングは簡単ではありません。
なぜなら、人はヒアリングを受けることを
望んではいません。
ましてや、アンケートのような単調な
ヒアリングを受けたら、嫌がられるだけです。
ヒアリングスキルを伸ばすにはコツが
あります。
≪お客さが話しやすい雰囲気づくり≫
①人の心を開く心からの笑顔
自然な笑顔は人を安心させます。
②うなずいたり、相槌をうったり、耳と心
で受け止めます。
お客様の話を引き出すことが上手な営業マンは、
相手の言葉のリピートが多いです。
キーワードをリピートしたり、
語尾をリピートすると効果があります。
相手は、自分の話しを聞いてくれていると
安心感をもってくれます。
③お客様の話を少し広げたり、掘り下げたり
します。
「もう少し聞かせていただけませんか」
「それからどうされたんですか」
というようにです。
≪何よりも聴くことに集中する≫
①思い込みや先入観はいけません!
私には苦い経験があります。
事実と違った理解をしてしまいました。
トラブルのもとです。
②結論を急いではダメ!
早とちりのもとです。
③話を遮らないこと
何よりも相手に失礼です。
話を最後まで聞くようにして下さい。
④相手を思いやって辛抱強く!
話すことよりも、聞くことのほうがエネルギー
を必要とします。
慣れるまでで辛抱強さが要求されます。
≪意識して実践して身に付けます。≫
あなたには強力な営業パワーが
備わります。
営業現場に限らず、日常のすべての場面で
意識して自分を鍛えてください。
本音を聞き出すスキルと、何度も何度も
改善してきたセールストークがあれば、
あなたはトップセールスとして活躍できる
こと間違いなしです。